ハグはこころの触れ合いであり、響きと響きの重なり。
抱きしめることだけではなく、
触れずとも感じ合うこともまた、ハグ。
いろんなハグがあり、無限の可能性を秘めている。
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【このアートが生まれた物語】
夜更け、私はOverjoyedの石のピラミッドの前に立っていた。
幾千の時を超えて石を積み上げてきた長老が、白い姿でそこにいた。
彼は深く静かな声でつぶやいた。
「もう寝たい」
その言葉は、疲れ果てた響きではなく、永遠を生きてきた者の深い吐息だった。何億年も石の家を見守ってきた存在が、ようやく口にした安らぎの願い。
私は問うた。
「あなたが眠ってしまったら、この家の今の私も眠ってしまう。生き続けるには、どうすればいいの?」
長老は笑みを浮かべて答えた。
「生きる上で大切なのは“ハグ”だ」
それは、抱きしめる行為だけを意味していなかった。
「もし我らを起こしたいなら、目覚めたいという心地よい響きを感じさせてくれ。そうすれば皆が目を覚ましていく。紫も、青も、ピンクも、緑も、黄も──そしてワシ自身、白も」
その瞬間、私の内側に光景が浮かんだ。
二つの存在が、互いをぎゅっと抱きしめる姿。その背後に広がるのは、星々の記憶と宇宙の叡智。
ハグは、響きの目覚めそのものだった。
──翌日、
ラクシュミーが現れ、本当の豊かさがいろんな形で届いていることを実感した。
そして、
ほんの15分だけ、家族とともに見た映画の主人公の言葉が、私の心に深く響いた。
「私は妹を一人で育ててきたと思っていた。けれど、本当は周りの人たちが助けてくれていた。声をかけ、手を伸ばし、支え合っていた。だから私達はここまで生きてこられたのだ」
その言葉が、私の人生と重なった。私は気づいた。
私もずっと、誰かに、何かに、見えないところで手を繋いでもらっていたのだ。
心にハグをしてもらっていたのだ。
本当の幸せ、本当の豊かさとは──
すでにそこに在った。決してひとりではなかった。
私たちはいつも支え合い、無条件の愛の中で生きていたのだ。
長老の言った“ハグ”とは、まさにこのことだった。
抱きしめられ、抱きしめ返しながら、響きは目を覚ます。
そしてその響きは、豊かさとして、永遠に広がり続ける。
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