



彼岸花の蕾たちが花開いた。
その時、わたしは深い赤の中に立っていた。
それは燃えさかる情熱であり、
同時に静けさを抱く冷たさでもあった。
聖なる花は、わたしにささやく。
「燃えることも、静まることも、どちらもあなたの本質。
その両方が溶け合うとき、新しい光が生まれる」
わたしは気づき、解き放つ。
心を縛っていた赤い糸はほどけ、
冷静の澄んだ赤と、
情熱のほとばしる赤が重なり合い、波紋を広げていく。
そのとき「空」から舞い降りた赤トンボが、
わたしを時空の扉へと導く。
無数の星々が赤い花々に降り注ぎ、
境界は消え、赤の光の世界へ溶け込んでいく。
そこには「変容した赤」があった。
それはもはや激情でも冷徹でもなく、
宇宙の中心で脈打つ生命の赤。
わたしの魂の奥底から、
静かに、力強く、響き続ける赤。
赤に目覚めたとき、
魂は本当の自由を知る。
そして、情熱と冷静のあわいに
本質の赤を宿し、生きていく。
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